オイルレザー(オイルド仕上げ革)のお手入れ方法(靴磨き・シューケア・レザーメンテナンス)

オイルレザー(オイルド仕上げ革)の革靴のお手入れ方法

カジュアルブーツや登山靴などで多く使用されているオイルレザー。革をオイル仕上げしていることから「オイルドレザー」とも言われます。 オイルを多く含むことで耐水性に優れ汚れなどにも強いことが特徴です。そのためアウトドアのシーンや登山などに重宝されますが、革にとっては過酷な状況で使用されることが多いので、3~5回程度履いたら1回はお手入れするようにしましょう。

靴の手入れ(シューケア)用品の準備

オイルレザーの茶色のブーツをお手入れします。
用意するお手入れ用品は次の通りです。

1、靴ブラシ 2、小ブラシ 3、ミンクオイル 4、靴クリームを塗る布
1、靴ブラシ
2、小ブラシ
3、ミンクオイル
4、靴クリームを塗る布

以上4点を用意します。

お手入れ方法(手順)

1、オイルレザーのブーツ

オイルレザー(オイルド仕上げ革)のブーツ
オイルレザーの茶色のブーツです。革は乾燥しているため、色が元の色より薄くなり、所々まだらになっています。

2、オイルレザーかどうか確かめる

オイルレザーかどうか確かめる
オイルレザー以外の革に、ミンクオイルを塗ってしまうと、ヌメりがでてしまったり艶がなくなってしまったりしますので、お手入れ前に目立たない箇所で試し塗りしていただくか、右図のように革の裏から指を押し当ててみます。オイルレザーの場合は矢印部分のように、押し当てた部分だけ色が薄くなります。オイルの中に含まれる色素がまわりに寄るためです。

3、ブラッシング

オイルレザー(オイルド仕上げ革)の革靴をブラッシング
オイルレザーと確認できたらお手入れを始めます。まず靴全体についたホコリをブラシではらいます。革を痛めないようにあまり力をかけず、できるだけいっぽう方向を心掛けます。

4、細かい箇所のブラッシング

オイルレザー(オイルド仕上げ革)の革靴の細かい箇所のブラッシング
小ブラシを使って、ソールと甲革のあいだに入ったホコリや汚れをかき出します。ここにたまったホコリに湿気がつくと、甲革のひび割れやカビの原因にもなりますので、念入りにブラッシングします。ここでもできるだけいっぽう方向を心掛けると、ホコリをよくかき出せます。

5、布にミンクオイルを取る

布にミンクオイルを取る
布に、少量のミンクオイルをとります。少量のミンクオイルを、数回にわけて靴全体に塗ります。いっぺんにたくさんのミンクオイルを塗るとシミになる場合があります。

6、ミンクオイルを塗る

オイルレザー(オイルド仕上げ革)のブーツにミンクオイルを塗る
靴全体に塗っていきます。右の矢印のように、円を描くような感じで塗るとうまく塗れます。極端に色が薄くなっている箇所には、やや多めのオイルを塗ります。場合によっては靴の色に合った色クリームを補色に併用すると効果的です。

7、乾拭き

オイルレザー(オイルド仕上げ革)のブーツを乾拭き
布を平らにして乾拭きし、余分なオイルを拭き取ります。丹念に乾拭きすると艶がでてきます。

8、完了

お手入れを完了したオイルレザー(オイルド仕上げ革)のブーツ
以上で完了です。革がうるおい、柔らかくなりました。色も均一に濃くなり、細かいひっかき傷のようなものもだいぶなくなり奇麗になりました。

9、撥水スプレーを吹きかける

オイルレザー(オイルド仕上げ革)のブーツに撥水スプレーを吹きかける
ミンクオイルだけでも多少の撥水効果はありますが、雨の日もよく履かれる場合は、仕上げに防水(撥水)スプレーをかけておくとより効果的です。撥水スプレーは、靴から30cmくらいの距離から靴全体に一気に吹きかけることがコツです。一カ所にたくさんかけても撥水効果は差ほど変わらないうえ、シミになってしまう恐れもございます。


※ご注意
皮革の種類や仕上げ等によってお手入れ方法も異なりますので、目立たないところで一度お試しになってから行ってください。あくまで自己責任でお願いいたします。

(文・写真/靴のパラダイス